
金(ゴールド)のリピート売買、いくらあれば開始できますか?

リピート売買の注文設定が分からない。どう注文すればいい?
リピート売買は一定の値幅毎に買い入れる方法。
その「一定の値幅」がどれくらいが良いのか。悩みますね。
基本的には元手資金の額によって値幅を決めていきます。
元手は多いほうが良いですが、少なくても運用開始は可能。
ある程度元手が用意できる場合と、元手が少ない場合、2つのケースで考えてみましょう。
仕掛け幅設定の手順
ここで紹介している金CFDのリピート売買はいわゆる『手動リピート』と呼ばれる方法。
自動売買と違い、自分で注文をする必要があります。
めんどくさいようですが、これにはメリットも。
相場が暴落した際にも、自分のあらかじめ注文した枚数しかポジションが増えません。
ですので、1枚当たり(1ポジション)の目安資金を知っておけば、自分の資金で運用できる枚数が分かります。
運用可能枚数が決まってから仕掛け幅を決めることで、リスクをとりすぎることの無い運用ができます。
- 金相場の想定下落ラインを決める
- 1枚当たりの目安資金を知る
- 仕掛け幅を割り出す
下落の想定ラインを決める
まず最初に、下落の想定ラインを決めます。
CFDもリスク資産、無理な運用をするとロスカットの危険があります。
しかもリピート売買は含み損を抱えながら運用する手法。損切りはせずに耐えられる運用をする必要があります。
ただ金の価格が0になっても大丈夫な運用をすると資金が大量に必要になりますし、せっかくレバレッジをかけられる運用なのに効率が悪いです。
ですので、もし大暴落してここまで下落しても大丈夫!というラインを先に決めます。
株価はその会社が倒産すると紙切れになりますが、金はそれ自体に価値のある物質です。
価格が下がっても、0になることは考えにくいという性質があります。
大暴落が起こっても株価や為替より影響が少なめです。
想定ラインは過去のチャートから
まず過去の金チャートを見てみましょう。
素人でもわかるくらい、1040ドルのところでサポートラインが出来上がっています。
ですので、ざっくりと1000ドルを想定下落ラインにすることにします。
下落の想定ライン:1000ドル
リピート売買では基本等間隔で買い下がっていくので、1700~1000の間に仕掛けていくことになります。
1枚当たりの目安資金を知る
想定下落ラインを決めたら、次は1枚当たりに必要になる資金の額を割り出します。
必要資金は、下落想定ラインまで達したときの含み損に証拠金を足して求めます。
1枚当たりの必要資金を割り出す
含み損の割り出し
もしも1000ドルまで下落したら、1枚当たりいくらの含み損を抱えることになるかを計算します。
上記チャートだと現在価格が1724ドル。ざっくり1700ドルとして計算すると、下落まで700ドルの幅があります。
1ドル100円で計算した場合、700ドル下落したとき1枚当たり7万円のマイナスになります。
証拠金の割り出し
次に1枚当たりの証拠金です。
金取引では金価格の5%。
ですので、1700ドルの5%、85ドルを証拠金として想定します。
1ドル=100の場合、8,500円ですね。
1枚当たりの目安資金
想定する含み損と証拠金を足すと、70,000+8,500=78,500円。
これが想定する1枚当たりの必要な目安資金となります。
為替レートを1ドル=100円で計算しているので、レート変動のことを考えて1枚8万円くらいで購入するのが安全でしょうか。
1枚当たりの目安資金:80,000円

1枚ずつ個別で管理する場合はこの考え方になります。
ちょっと高額になりますが、金レートがどのように動いても対応できる考え方です。
等間隔で買い下がる場合の目安資金
リピート売買の基本の買い方は等間隔に買い下がるスタイル。
「○○ドル下がるごとに1枚追加購入していく」という買い方です。
金の価格が下がってから買い付けるので、下のほうで買うほど想定される含み損も必要証拠金も小さくなります。
含み損の割り出し(買い下がる場合)
等間隔で買い下がっていくので、1000ドルまで買い下がる場合平均値は中間の1350ドル。
なので1350-1000=350ドルが想定される下落量。
1枚当たりの想定される含み損は35,000円です。
証拠金の割り出し(買い下がる場合)
次に1枚当たりの証拠金です。
1350の5%、67.5ドルを証拠金として想定します。
1ドル=100の場合、6,750円ですね。
1枚当たりの目安資金
想定する含み損と証拠金を足すと、35,000+6,750=41,250円。
これが想定する1枚当たりの必要な目安資金となります。
これも為替レートを1ドル=100円で計算しているので、レート変動のことを考えて1枚4.2万円くらいで購入するのが安全でしょうか。
均等に買い下がる場合の1枚当たりの目安資金:42,000円

先ほどの考え方と比べ、随分少なくなりました。
仕掛け幅の決め方
1枚当たりの目安資金を求めたなら、最適な注文の仕掛け幅を求めましょう。
等間隔で買い下がる場合の仕掛け幅(基本)
なんだかんだ言っても元手は多いほうがリスクが下がるし利益も上がります。
例として元手を200万円として計算してみましょう。
まずは元手資金の200万円で何枚購入できるか。
1枚当たりの目安は42,000円ですので、2,000,000÷42,000=47.6。
約47枚買える計算になります。
そして仕掛け幅。
1700ドルから1000ドルまでの700ドル幅に均等に注文を仕掛けるので、700÷47=14.89。
約15ドル下がるごとに1枚追加する買い方ができます。
等間隔に買い下がる場合はこのように仕掛け幅を決まられます。
上記の計算をすれば、元手がいくらの場合でも最適な仕掛け幅を求めることができます。
仕掛け幅に変化を付ける(おススメ)
等間隔で買い下がる方法はわかりやすく、注文の失敗が少ないやり方です。
しかし相場は何らかのニュースがあった時は大きく変動しますが、普段はおとなしいもの。
上記の計算では15ドル下がるごとに買い下がる仕掛け幅でしたが、それだとあまり注文が通らないかもしれません。

47枚買える計算なのに、常に保有する枚数は2~3枚しかない!
これだとせっかくの元手資金を活かせないので、仕掛け幅に変化を付けてみましょう。
例えば最初の10枚までは5ドル毎に買い下がる。
次の10枚は10ドル毎・・・といった具合です。
下に行くほど広くします。
等間隔で買い下がる場合の仕掛け幅を中間値として同枚数ずつにすれば、リスクをあまり変化させずに注文機会を増やせます。
等間隔で買い下がる場合の仕掛け幅を中間値として同枚数ずつにすれば、リスクをあまり変化させずに注文機会を増やせます。
ただしレート変化(金価格の上昇)のより、元手資金に対する購入可能枚数が変わる場合もありますので、余裕を持たせた設定で試してみましょう。
資金が少ない場合の仕掛け幅
さて200万円で計算しましたが、そんな大金用意できない!という方もいるでしょう。
例えば20万円でやりたい場合。
1枚当たり42,000円なので4枚買うことができ、それを1700ドルから1000ドルの間に均等に注文を仕掛けるので700÷4=175ドル下がるごとに仕掛ければ良いわけです。
・・・良いわけですが、正直金相場はいきなりそんなには動きません。

まず175ドル下がらないと最初の1枚も買えません…

下手をすると一生買う機会が来ないことも。
ですので少額で金運用を行う場合、現在の相場から求めた1枚当たりの目安資金を元に注文していく方法になります。
最初に求めた1枚当たり80,000円。これを基準に運用します。
1000ドルまで下落しても大丈夫な設定なので、20万円だと2枚しか買えません。
しかし1枚でも運用することに意味があります。
いきなり大金を運用して始めるより、まずは少額で始めてみて取引に慣れていくのも大切。
1枚だけでも保有することによって自然と金相場を覚えていくので、徐々に運用がうまくなります。
また狭めの利確幅の設定でも1枚で一回の利益が数百円~1,000円近く出るので、決済されるたび繰り返して購入することにより徐々に利益が出ます。
例えば1ドル=100円のとき、決済幅10ドルという狭い利確幅でも1,000円の決済益が出ますね。
最初は少額で取引に慣れていき、お金の準備ができたら本格運用!という流れは失敗が少なく、運用初心者なら特におススメです。
定期的に設定を見直す
相場は常に変動しているので、最初に決めた目安資金や購入可能枚数も変わってきます。
- 金の価格の上昇により想定含み損が上がったり必要証拠金が増える
- 為替レートが変わり、想定含み損が上がったり必要証拠金が増える
- 利益が出て想定下落ラインより下がっても耐えられるようになる
このようにさまざまな要因でリスクは変動します。
47枚買えるはずだったのに、45枚買った時点でロスカットになるかも?
そうならないように、定期的に設定を見直す必要もあります。
- リスクが上がる要因
- 金価格の上昇
- 為替レートの上昇
- リスクが下がる要因
- 為替レートの下落
- 決済益や入金による口座資金の増加
リスク変動に一喜一憂しないために、あらかじめ余裕のある設定や口座資金で運用しましょう。